福島市は果樹の里として全国に知られ、中でも桃はそのイメージリーダー的存在です。ミスピーチが首相官邸に桃を届けるなど、桃は本市観光物産振興の重要なキャラクターとして位置づけられてきました。地元ではありふれたこの桃に実は大変な御利益が隠されていたのです。古事記の黄泉国の段にその由来があります。見てはならない妻の変わり果てた姿を見てしまったイザナギノミコトが、黄泉醜女らに追われて命からがら黄泉国を脱出するときに、黄泉比良坂にゆさゆさと実をつけている一本の桃の木が目に入りました。イザナギノミコトはこの桃の実を3つ取り、追っ手めがけて投げつけたところ、ついに追っ手は退散してしまい九死に一生を得ました。イザナギノミコトはたいそう喜び、末長く世の人々の悩み苦しみを助けてくれるようにと桃の実に神の名を与えました、との神話です。桃といえば古来ひなまつりにも魔よけとして欠かせぬように、我が国では神話の昔から親しまれ珍重されてきた果物です。更には桃太郎伝説に見られるような子宝の御利益も伝えられています。こうした御利益に新たに現代的な御利益を二つ加えました。一つは果樹の豊作、もう一つはみずみずしい桃(ピーチ)にあやかって、女性がいつまでもピーチ、ピチと若さと美しさを保てるようにとの御利益です。