現在の社殿は明治神宮御社殿、宝物殿の設計などで名高い内務省大江博士の設計によるもので、当代一流の技術の粋を集め、昭和13年に竣功しました。拝殿・幣殿・本殿には上質の台湾桧を用い、総建坪58坪余、うっ蒼たる樹林に銅葺きの屋根が映える優美で澄明な社殿です。拝殿は五間に三間ですが、中央はゆったりと他の柱間の倍近くとり、ガラス戸にも古風な蔀の感覚を生かしています。拝殿の屋根は破風を配した美しい流れをみせ、神苑を限る玉垣透塀の連子格子も社殿の平明さと調和し、福島市民の心のやすらぎとして神域の中心をなしています。今回の屋根替えにあたり下地木材の取替え、良質・肉厚の銅板の使用、更には拝殿屋根谷部分には融雪用セラミック製ルーフヒーターを敷設するなど、現在考えうる最新の技術の粋を尽くし、外観上も純金製飾り金具と相まって重厚感あふれる屋根に生まれ変わりました。